Think Like Talking.

趣味や子育て、ゆるい生活をつづる備忘録

From Coast to Coast

 少し毛色の違うお話。デジタル系の話題。

・「Opera Coast」iPhone版リリース

 自分は10年程前からPCのブラウザでOperaを使用している。聞きなれない名前かも知れないが、一頃は組み込みマシンのブラウザに結構使われていた時期もある。wiiとかDSとかのブラウザがそうだったかな。Windows XPの時代からなので、当時のIE6の遅さに愕然としNetscapeが徐々に重くなっていき、Chromeはまだ影も形もない時代。

 そんな頃、まだ日本語化もままならない北欧生まれの高速ブラウザがある、という情報を得て使い始めたのがVer.6くらいのOpera。右上にバナー広告が入るスペースがあり、それを解除するためにシェアウェアとして購入するというスタイル。

 

 現在は完全にIEChromeFireFoxという御三家になっているが、Chromeが出るまではOperaが第三のブラウザとして紹介されていた。独自のレンダリングエンジン、デフォルトで使用できるマウスジェスチャ、Ver.11くらいまではメールクライアントも統合されていたり、Torrentへの対応やクラウドという言葉が広まる前に既にLinkでブックマークや設定を同期する機能が提供されていたり。もっとメジャーになっても良かったと思うんだけどなぁ。

 

 それはさておき、Coastの話。

 Operaが独自レンダリングエンジン(Presto)の開発を断念し、WebKit系を採用すると発表されて1年ちょっとくらい経つのかな。元々は「10年前のPCでも動作するほど軽い」というコンセプトの元開発されてきたOperaだが、サイトの互換性や開発規模の問題から、中身はChromeの兄弟に当たる物(厳密にWebKitではなく、GoogleWebKitをベースに開発するBlinkを使用するため)になってしまった。別ラインになったVer.15だったかから、独自の機能は殆ど失われ、ブックマークの代わりにスタートページのSpeed Dial機能、一部残ったマウスジェスチャくらいがかろうじてOperaの特徴を匂わすくらいになった。

 そこから、2013年の9月くらいだろうか、iPad用のタブレットブラウザとして件の「Coast by Opera」としてCoastがリリースされる。開発者のブログを意訳すると

 

「タッチ操作ができるタブレット機器向けのブラウザは、どうしてみんなこれまでのような進む・戻るボタンを使うようなスタイルが続いているのか。なら、それに合わせた操作性の新しい物を作ればいいじゃないか」

 

 というような趣旨のコメントが出され、Coastの開発がスタートしたとある。

 Operaはこれまで携帯電話用、スマホ用、PC用というラインがあり、どれがどれだか忘れたがMini、Mobile、クラシックという感じの区分だったと思う。実際iPhoneOpera MiniをAppで入れていたのだが、ワールドスタンダードということで通信速度の低い国や日本のような定額制が無い国向けの仕組み(=一度Operaのサーバでページを読み込み、データを圧縮して再送信する)がデフォルトで動作するためか、Safari等に比べて劇的に遅かった。

 

 今回のCoastに関しては、iPhone版をいじってみた限りその遅延はない様子。公式サイトでは、圧縮プロセスを別口のOpera Maxなるアプリに分離している気配。なので、Coastを日本の高速ネットワーク環境で使ってもストレスを感じにくい速度で使える。

 

 操作性についても、タッチ操作への対応を謳う通りSafariにも引けをとらない。インターフェイスはシンプルそのもので、検索についても小さなアドレスバーに一度カーソルを置いてから入力、ということをしなくても直感的に操作できる(具体的にはホーム画面から下にスワイプ→即入力、インラインで候補のHPファビコンが次々に出てくる、という感じ)。

 

 AppStoreから昨夜DLしたばかりで基本操作程度しかまだいじっていないが、なかなかに良好。こうなると、Androidタブレット用にもリリースして欲しくなる。なんだかんだと遊び心のある会社なので、気長に待ってみよう。