Think Like Talking.

趣味や子育て、ゆるい生活をつづる備忘録

素直に泣ける日笑える日

 12月繁忙、真っ只中でございます。

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・素直に泣ける日笑える日

 タイトルは渡辺美里から。久々に「明るい抑うつ闘病記」絡みのお話を。

 

 デイケアに通い自己分析と性格形成の内省を続ける日々だった3年前の今頃=2011年12月。内省自体は個々人によりそれこそ重い扉を開ける訓練や自分の考え方の傾向を掴んで、自分を苦しめる決断・行動をどう抑制するかという部分にフォーカスするというのは今までの話の通り。と言っても本編がものすごく久々なので興味のある方は「明るい抑うつ闘病記」のタグで見返していただければ。

 

 さて、今回のタイトル。

 抑うつの傾向として、自分の感情を押し殺して周囲の空気に合わせたりすることでストレスが溜まっていく結果、という側面がある。勿論それは一つの要因にすぎないのだが、感情の起伏や爆発が無くなっていくその先にあるというのは恐らく間違っていないだろう。

 わけもなく涙が出る、と言うのは恐らく抑圧された自分の感情が危機を発している部分もあるが、素直に泣けない性格やシチュエーション、もっと言えば躾だってあるだろう。男がなかなか泣けない、という風潮の中で育った世代にとっては切実な問題だ。

 

 そうした中で顧みて自分はと言うと。

 意外なほど涙もろい男である。自分の為に泣く、というのではなくドラマや漫画、物語や人の温かさに対して、であるが。

 抑うつの真っ最中、冷えきっていた感情がベイルアウト後に徐々に回復し、デイケアも1ヶ月過ぎた辺りではほとんど以前同様に戻っていたが、もう一つ。訓練としてのデイケアの中では「嫌なことは嫌」「心の負荷を軽くするために融通をきかせる考え方になる」という練習もする。その過程で、感情の揺れ動きをモニターして、なぜそう思ったかを深く考えていくわけで。

 

 その辺りは専門の方々にお任せするとして、ともかくもそのおかげか楽しいことは楽しい、キツイ時はキツイ、やる気の無い時はやる気無い、でいいんだと思えるようになった。すると、接する娯楽に対してニュートラルに受け取れる部分が増えてくる。

 ドラマを見ても素直に泣けたり、バラエティでつまらないと思えばつまらない、単純な笑いが面白かったりする。些細な事を楽しいと感じられる。大人だから、ストレートに出すべきでないと考えるのではなく、自分の心の向くままに開放する時間を作ってやる。一日に少しの時間でも構わない、それが大事なことなんだと。

 

 昔から、様々な要因を考えて自分のしたいことを押し殺してきたきらいがある。たまに「本当はどうしたいの」と家族に問いかけられる。自分が引っ込めればとりあえず上手く回ると考えてしまうこと自体が「認知の歪み」であり、問題の解決にはなっていないことに気付かされた。

 

 今したいこと。今行きたいところ。今欲しい物。全てを躊躇なく思うとおりにするというのはさすがに無理ではあるけど、常識的な範囲のものであれば心の向くようにしている。帰り道の寄り道、時たまの一人旅、家計に影響のない程度の本やプラモ。年をとってある程度抑制が利くからこそもあるんだけど、他の人に比べたらささやかなもんじゃないか、と思うようになってとても楽。もちろんそれを許容してくれる嫁であったり家族であったりの存在があるから、というのを忘れちゃいけない。

 

 もう一つ、次の行動に迷った時の一つの実験もやってみた。

 それは、「いつもの自分と逆の行動をしてみる」ということ。

 いつもならここで「こっちに行ってしまう」であるとか「こっちの選択をする」という場面で、あえて逆を選ぶという。単純に、通り道の右と左の分岐を逆にするだけでもいい。いつも近道ばかりなら遠回り。エスカレーターと階段なら階段。休みに買い物に行く店を少し変えてみる。安い食材で済ませていたら、あえて高いものを試してみる、などなど。

 それは、今までパターンで決まっていた自分の生活=考え方、もっといえば無意識に「こうでなければならない」と勝手に固着していたルーティンを変える一つの手段であったのだ。「こうしなければ相手に迷惑がかかる」とか「こうしなければ不幸が起こる」というような、根拠の無い漠然とした不安。そこに絡め取られて悩み始めて夜も眠れないような。あえて逆の事をしてみることで、「本当はそんなにみんな気にしていない」「別に何も起こらない」「むしろ面白いことが起こる」。人生を楽しんでいる人は、そうしたやり方をしていたり、無意識にやっていることなんだろうけど、なかなかそんなことに思い至れない。

 

 そうしたことを身をもって感じる、試してみるという意味で、デイケアという訓練の中やその期間の自分というのはいい経験をしたわけですな。

 

 翻って現在、2014年。

 素直に泣ける日笑える日。

 日々そんな毎日を生きている。

 

 笑えるのはまぁ嫁の行動をつぶさに観察すると面白いなぁということで。もう一つ泣けるという話の方。

 

 マンガやアニメ、ドラマでグッと来て男泣きしたりするまさにアラフォーなわけなのだが、そんな話。

 去年の秋口、遅番シフトが終わって帰ってきて、真夜中1時過ぎの入浴。うちのアパートには風呂の中に液晶テレビが付いていて、深夜番組をBGMにしながらゆっくり入浴というのができる。そこで、深夜アニメで一人駄々泣き。その作品はと言うと。

 

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」だったわけで。


「あの日見た花の名前を僕達はまだしらない」ラストシーン - YouTube

 内容を知っている諸兄も多いだろうし、周囲に「いいよコレ!!」と言われていつ見るかと思っていた矢先、劇場版公開に連動して再放送していたのを偶然深夜の風呂の中で真っ裸で見たわけだが。しかも第一話のEDですよ。そのテーマ曲の入り方一つで深夜に駄々泣きですよ。翌日、近所のツタヤが軒並みDVD貸出中だったので検索かけて札幌のツタヤまで全巻借りに行って一気見してもぉ更に駄々泣きですよ。ああ、自分こんなに泣けるんだと。

 

 20代中盤以降、漫画でも結構簡単にグッと来てしまうけれども、最近は立ち読みでもグッと来てしまうため古本屋でも気を抜けない。この間はコレ。

私たちの幸せな時間 (Bunch Comics Extra)

私たちの幸せな時間 (Bunch Comics Extra)

 

  原作どうのはいいんだけど、この佐原ミズさんという漫画家さんの作品が好きで、たまたま手にとったらそりゃあもう。古本で買って家で嫁に読ませたらやっぱり号泣。

 

 どうもヒューマン系の漫画や魂の叫びみたいなものに揺さぶられるようで、新刊で行ったら最近コミックゼノンで連載が始まった「コンシェルジュ インペリアル」の第一話で撃沈。元々この作者の方=藤栄道彦さんの「コンシェルジュ」シリーズを読んでて注目しており、原点の無印「コンシェルジュ」は全巻持っており、サービス業の端くれとして心に留めておかねばなという人生訓満載。で、様々割愛して続編としての今回の連載はどうだろうと読んでみて撃沈だったと。

コンシェルジュ (1) BUNCH COMICS

コンシェルジュ (1) BUNCH COMICS

 

  ちなみにこの方の別雑誌での連載も面白い。

最後のレストラン 1 (BUNCH COMICS)

最後のレストラン 1 (BUNCH COMICS)

 

 

 更に泣いた漫画を挙げるなら、こんなのとか。

 

バーテンダー 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

バーテンダー 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

 

 

遺言弁護士・真崎事務所 ホタル 1 (ヤングジャンプコミックス)

遺言弁護士・真崎事務所 ホタル 1 (ヤングジャンプコミックス)

 

 

 ぶっちゃけ、スイッチは何でもいいのだ。ただ、身体の中に澱のように溜まった感情を、洗い流すという意味でも「感動して泣く」というのはいいらしいので、そういうスイッチを持っているというのが大事。

 ちなみにここ数日で泣いたのは、レンタルで借りてきたガンダムUCの最終話=90分で3回とか、この前の日記で書いた中島美嘉のアルバムで「僕が死のうと思ったのは」を聞いてカウントレス号泣とか。

 

 更にちなみにうちの嫁、そういう旦那を見て女々しいと思うかと思いきや、

「そういう心を持ってる人で良かった」

 という反応。サンクス嫁。

 

 といったところで久々の「明るい抑うつ闘病記」、今宵はこれまで。