未来派LOVERS
というのはパトレイバーの元祖OVAのOP。というわけで息子のリクエスト、今週は「1/48 イングラム(実写版)」。約6年寝かせていたのだが、しまっていた戸棚を開いた息子が興味を持ち。じゃあ作ってみましょう。
MGほどのパーツ点数でもなく。ちょっと大きめのHGサイズというところか。約6年前、2010年代のバンダイ製なので、なんというか作りやすい。各ブロック(胴体・手・足など)がそれぞれある程度ランナーにまとまっている、関節もポリキャップ、やたらかみ合わせが厳しいABS製じゃないからとても楽。デカールもやたら細かいコーションマークがなく、特殊車両の延長上というイングラムの設定が活きている。
こうなって
こういうのやって。昔テレビ版放映時=30年以上前、バンダイのイングラムを作った頃はこの関節カバーはラバー素材だった。今は筒状のフィルム?にしわをつけて、内部関節パーツを中に入れて外装を組み付けていく。パーツ点数もそこまで多くないから結構サクサク作れる。
まぁこんな感じで素組み。墨入れも何もせずの状態でこれ。クリアパーツ・メッキパーツを付けていないのは、この後墨入れとトップコートで曇ってしまうのを避けるため。頭部のメインカメラは見なかったことに。
墨入れと部分塗装とトップコート。シタデルカラーで筆塗りも楽。しかしシタデルカラーに慣れていたため、トップコートの溶剤臭で軽くやられる。ほんの3分ほどなのに。
ちょっと見づらいけど、リボルバーカノンの銃口・シリンダーを開口。金属部分を若干ドライブラシ。実機は見たことないけど(北海道は苫小牧に来てたらしいが)、経年劣化や油汚れ、すす汚れみたいなのを想像したウェザリングのイメージはガンダム系よりもつかみやすいかも。
最終組み上げはとりあえずトップコートの完全乾燥後に。再見!!!
都市鉱山
今年も24時間テレビが終わりましたな。コロナ禍でいろいろと試行錯誤されてたのをざざっと見た感想だけど。
同時進行的にあれこれ挑戦だのやるよりは、家で大人しく見ていられるスタイルの内容や募金方法だのでいいんじゃないか。ところどころわけわからん演出が入るのがなければもっといいが。
特にマラソンなんて、今回のエンディングを見ていて嫁と「いまだかつてこんなに終わりがさわやかなマラソンがあったか」という感想に至る。そりゃ長距離を走ったことのない人とかが、いろんな理由を付けて走りきるというのもそれはそれで「感動」の種にはなるかもしれんけど、見ている側としては「そんなことしないで募金した方がよっぽど精神衛生上いいんじゃ」と思うわけで。放送終了前の20時過ぎ、国技館に辿り着けるかを不安視されて、「負けないで」だの「ランナー」だのの大合唱はもういい加減いいだろう。あの瞬間に気恥ずかしさでチャンネルを変えたくなる。当たり障りのない応援も、これだけマンネリ化してしまえば台本みたいなもんだ。
それを思うと、今回の目標100kmを18時頃=残り3時間のところで達成してしまった高橋尚子さんは素直にすごい。一般道を走らず私有地での周回、そして深夜休憩というのは本当の意味でランナーを保護するという目的に適う。やっとそこに至ったか日テレ。
この放送がすべてボランティアというわけではない、ギャラも発生するだろうしスポンサーの金だって動くだろう。それを批判する向きもあるが、じゃあ果たして完全無報酬でどれだけの人間が24時間耐久に力を貸してくれるか。そんな綺麗ごとじゃすまんだろ、特にそんな世界を斜めに見るような奴ほど。
自分も一頃この24時間テレビが嫌いで車に構えてみていた時期がある。それでも30を越えたあたりから、少し見方が変わってきた。障害のある方たちを見世物にするのではない、その人たちが苦しんでいる、普通に生きていたら聞くこともない病気が存在して、確かに戦っている人たちがいることを知る術がこの番組であり、そこから何かを考えるきっかけにすればいいのだ。また、微力だが世間にその姿を「さらし」て窮状を訴える人たちの覚悟を以て、何かできることはないかとみんなで考えるには、まだテレビという媒体は捨てたもんじゃない。
そもそもこうした機会がなければ、どれだけの人が募金に手を出すか。目に見える災害があれば集まりやすいだろうが、そうじゃない物事に対するためには?
そんなことを考えるようになった。
自分がそうした人たちのためにどれだけのことができるかは不明。そういつもいつも何かをできるわけでもない。ただ、苦しむ人にささやかでも何かをと感じる心までを失いたくないだけだ。
綺麗ごと、偽善、大いに結構。それもできなきゃ、とてもじゃないが子供の世代に願いや思いを託すなんてできないだろうし。
なんて思いながら、今年も24時間テレビ終了=北海道の夏も終わりというお話。
フェイバリット
最近思い切りハマったシタデルカラー。臭いほぼなし・水で筆洗浄も希釈もOKという手軽さ・隠蔽力の高さから、筆塗中心の俺にとっては非常にありがたいアイテム。ただ大面積を塗るのはまだやってないので躊躇していたのも事実。
ミニチュアなど部分塗装で練習するうち、じゃあこの色の伸びを活かして二の足を踏んでいた全塗装してみたらどうなるだろう、という興味が。や、いろんなサイトだの動画だので紹介されているからもちろんできるのは分かっているのだが、自分不器用ですから。
黒立ち上げのプライマーとして、初めてシタデルカラーのケイオスブラックなるスプレーを使ってみる。これも臭いしねぇなスプレーなのに!!! まぁ屋外(玄関先)でやったからかもしれんけど。乾燥もやはり早い。15分後には塗り始める。その結果がこれ。
今回も練習としてガシャプラボトムズ。何体目のスコープドッグだよ、という感じだが、これ元々右側のメルキア軍カラー=パープル。下地を塗ったとはいえこの発色。緑部分は黒下地の上にせいぜい2回塗りですよ。ほぼ筆ムラなし。筆ムラがほぼ出ないってのが何より驚愕。今回白(セラマイト・ホワイト)が若干プリン状に固まっておりそれを薄めながらあれこれやってたのでその部分はご勘弁。それ以外のグリーン・グレー・レッド・シルバー部分は調色なしのそのまま。
練習楽しい。
俺が子供の頃にこうした知識・情報・マテリアルがあったらもっと楽しかっただろうなぁ、なんて思ってみたが、多分当時の財力だったら買うこともできなかったので結局マジックで塗って終わりだったんだろうな(笑)。
ガシャプラはあとダンバインシリーズでサーバインとダンバイン(2機目)が残っているので、それを仕上げたらいよいよガンプラか。部分塗装だけでも気が楽になるアイテムに出会った夏を忘れない。
何んて優しい時代
昨日はよんどころない事情により休みを取り。数日遅れで雑誌などが入荷する関係上、昨日手に入れたこれ。
最近5歳の息子がボトムズなどの80年代サンライズロボットにはまっているという話題はここで書いての通り。これは息子が喜ぶかなと買って帰る。
とはいえミリタリーテイストの高い世界観、そして兵士がパタパタと死んでいく血生臭い展開。情操教育にいいのか?という声も出そうだが、それは教え方一つなんじゃないかと思う。
奇しくも今日は終戦記念日。戦争を子供たちにどう教えていくか。
実際、今のメディアではより凄惨に・残酷にという描写が目立つ気がする。それは別に戦争ものに限らない。日常・SF限らず、より過激な表現を求めているのか、そういう作品でなければ話題にされず売れないからなのか。見ている俺としては気分が悪くなることしきり。そういう渦に息子の世代がこれから字を読めるようになり接するようになったとき、どう説明すべきか。
身近な痛みから、大事な人たちの苦しみを想像させる。大量殺人兵器など、絶対に使われてはならない。アニメ・創作の中の表現と、もし現実でそんなことが起こったらという想像力。出てくるキャラクターに感情移入し、その痛みを想像させることくらいしかできんけどな。
それでもある程度の効果はあるようで、兵器というものの本質的な恐怖は少しずつ理解し始めている模様。
難しいのは、善悪すなわち「正義」とは何か、を教えること。それぞれの言い分・正義がありそれがぶつかるからこその争いが存在し。それは日本の中にいる限りは基本的に自分たちの日常の中の善悪が中心になってくる。しかし世界には、それが自分の生存だったり国の存亡だったりがかかってくるからこそ、「戦争」が起こりうる。それをどう説明したらいいのか。
「これはいい奴なの? 悪い奴なの?」
答えに窮する。70年代くらいの話なら単純な勧善懲悪で済む。しかし80年代、もっと言えばガンダム辺りを境にそうした二元論では通用しない、より現実的な背景が織り込まれることになる。ガンダムなら連邦の秩序(腐敗はあるが)とそこからの独立を目指すジオンの正義(コロニー落としは最悪手だと思うが)、戦争という手段を行使するが、それぞれに言い分があり単純な善悪ではくくれない。
ボトムズに戻れば、二大勢力が100年続く戦争を起こし、端的に言えばそれを仕組んだ「神」(実際には古代文明のコンピュータに宿る意識体、みたいなもんか)がいて、それに翻弄される末端の人間たちという感じか。
ただしそんな説明はまだまだ子供には難しいので、こう答えるようにしている。
「〇〇(息子)は、何をする奴が悪い奴と思う?」
「うーん、人を困らせるような悪いことをする人?」
質問を質問で返すのはどうか、とも思うが、単純に俺の考える「いい奴・悪い奴」が果たして正しいのか。それは息子にとっての価値観上も一致するのか。別の視点を持つことができるのか。きっとこれからの世の中は、単純な・一面的な正義だけで力を振りかざすことはとても危うい世界になっていく気がする。だからこそ、自分が正しいと思ったことも、何をベースに判断して「正義」としているのか。そのための考える力を持たせなければならないと思うのさ。
ミリタリーモデルもガンプラも、造形美やロマンというものに惹かれて数々の作品が作られているだろうし、それを作ったから戦争賛美だなんてトンチキなことを言うつもりも毛頭ない。
日本に住む我々の大半は、幸いにして本物の「戦争」を体験したことがない世代となった。プラモとしてそれらの立体物を作り上げる際、ウェザリングをはじめとした「リアル」な表現を目指すこともあるが、そのリアルはあくまで「こういう動きをしたらこういう汚れが付くだろう・こういう傷がつくだろう」という想像力によるものが基本だ。架空兵器ならなおさらだ。それでいいと思う。
兵器のリアル(演習ではなく、実戦という意味)を身近で体験するなんて、なきゃないほうが絶対にいい。過去の教訓として残る「残骸」から学ぶ表現もあるだろう。願わくば、そうした造形物を作るときに今日だけでも、二度と日本がそうした戦争に参加しないで済むため、市井の一人間として思いをとどめる手段にしたいなぁ、なんて思うのさ。
すごいスケールの話になるが、要は「戦争なんて下らねえぜ、プラモを作れ!!!」ってことでいいんじゃないでしょうか。
ちなみに冒頭のHJメカニクス、ATを使ったレースという架空の設定の作例があった。CAMELカラーのスコープドッグ、RED BULLカラーのファッティー。搭乗者が中嶋悟やマックス・フェルスタッペンをもじっている辺り、ニヤッと笑ってしまったが、こういうのも模型の楽しみ。誰も死なないなら、それに越したことはないのさ。
アニメじゃない
そう、リアルに触れなければならないんだよ。
この前から筆塗の練習に使っていたガシャプラのボトムズシリーズ。参考資料を調べていたら、ノンスケールではあるものの概ね1/60サイズとのこと。あれ、1/60? トミカと同じくらいじゃないか?
5歳になった息子から、「ボトムズってどれくらい(の大きさ)なの?」と聞かれたのが始まり。設定上は全高で4m弱だった気がするが、「2階の窓くらいだよ」とか言ってもあまりピンとこない。じゃあリアルで身近なものと比較したらどう見えるのか? というのが縮尺であり、スケールモデルの醍醐味なんだろう。幸いトミカプレミアムで似たようなスケールのものがある(厳密には全く同じスケールではないが、ほぼ、ってことで)。
というわけで、並べてみた。情景云々というのはあまりやったことがないのだが、同じくガシャポンで息子が当てたジムニーも大体同じくらいのスケールだったので。そうか、現実にものがあったらこれくらいなのか。や、結局はアニメの世界なんだが。
まだまだ縮尺の概念なんてわからないだろうけど、現実にあるもの(設定されているもの)をミニチュアにするときに出てくる身近な単位、ということでこれはこれでよかろう。
もちろん、アニメはアニメだ。現実に具現化するにはそんなあっという間のわけはない。アストラギウス歴(ボトムズ世界の暦)だって7000年以上の「架空の」世界だ。だけど人の想像したものがリアルに交わるときに多数のものが通るであろう、「現実に存在したら」のフィルター。フルスケールは滅多に出会わないけど、空想と現実、そして実現させるときの努力をどう伝えていくか。子供の空想力をなるべく尊重してやるにはどうしたらいいか。プラモ一つとっても、アニメ一つとっても立派な教材。
たった500円の「ガチャガチャ」で、息子に伝えるものがこんなにもあるとは。おとしゃんは楽しいぞ。
風が知っている
「赫奕たる異端」のOPタイトルですが。
シタデルカラーの練習がてらガシャプラ・ダンバインを組んだのが前回の話(AURA - Think Like Talking.)。さて、80年代ロボットへの興味が盛り上がっているうちの5歳児はボトムズがお好き。というわけで同じくガシャプラ・ボトムズシリーズの塗装に手を付ける。
もともとこれは無印のスコープドッグ・緑色。頭部ターレット以外は緑一色で、軽く組んだだけで2年近く放置していたのだが、この際だから部分塗装の練習に使おうということで引っ張り出してきた。今のところ弾数は緑2・紫(メルキア正規軍カラー)2・第2弾のRSC(レッドショルダーカスタム)1・スナッピングタートル1。おお十分。失敗してもあまり痛くない。
というわけでテレワーク終了後、嫁を迎えに行くまでの1時間半でおおむね上の状態まで。一度組んだものを半分バラし、色分けが必要な部分に絞って重ね塗りしていく。具体的には上の画像の中では
・バイザー部グレー
・アンテナ部メタリック
・スコープ色分け(もとはシルバー一色)
・上腕・太ももなどのダークグリーン(色味的に青っぽくなってしまったが)
・右肩(正規のレッドショルダー仕様)
というところか。もともとエナメル塗料での墨入れだけはやっていたのだが、こののち全体にシタデルカラーの「Nuln Oil」を使ってウェザリング。油くさいボトムズの世界観にピッタリじゃねぇか。
さて、1機完成したのを見て当然息子は
「おとうさん...僕も欲しいなぁ...でもおとうさんのだから駄目だよね...」
なんていじらしいことを言い出したら、そりゃ作るよね2機目。だってあるんだもん、素体の緑。というわけでハイ、ドン。
右が1機目、左が2機目。ダークグリーンの色味が違うのは、白と緑の混色で作った比率が一定じゃないから。どっちかといえば2機目の方がイメージに近いか。右のメルキアカラーはまだこれからどうするか考え中。サーフェイサー塗って全塗装の練習でもするかと画策中。
そして昨日。お盆の親戚参りを前につかの間の休み、まだ組んでいなかった(文字通りランナー状態)スナッピングタートルに手を付ける。今回は組んだものをばらすのではなく組みながら塗装していくので幾分楽。だがしかし最後に痛恨のミス。
塗装も終わり組み上げの段階で、左腕の付け根=関節部分に塗料が乗っていた(正確には接続で見える部分を黒でカバーしていた)ためか、ボールジョイントがきつくあと少しひねるとねじ切れそうな感覚。ポーズ固定で置いとくしかない状態に。まぁもともとガシガシ動かして遊ぶものじゃないからそれはそれで正しいんだけど。
これも全体にウェザリング。劇中では熱帯雨林のクメン編で出てきたのでこれくらいはちょうどいいか。
7cm程度の大きさのミニチュアを塗装するのもなかなか楽しい。よく考えたら概ね1/60スケール程度だから、トミカと並べたら大体同じくらいなのか。
作った先から息子に持っていかれているが、まぁおとなしく飾っているから良しとしよう。親子で同じ趣味に持っていく第一歩。さぁ、次は「こどものニッパー」でも与えてみるか(笑)。
AURA
で、シタデルカラーの練習としてガシャプラを作った話。
前回の日記でシタデルカラーのベースセットを買ってみた話を書いた。とはいえウォーハンマーシリーズに興味があるわけでもなくましてTRPGはやる相手もおらん。や、普通にプラモを作るだけでいいじゃないか。
ガンプラをいきなり塗るというのもなかなかのラージヒルだと思うが、いかんせんHGクラスでも作るとなるとそれなりにまとまった時間が欲しくなる。サイズ的には小型のフィギュア程度、しかも部分塗装程度で練習したいなぁと思っていたらあったじゃない。作ってないのが。
で、いろいろとすっ飛ばしてドン。
設定と違う色を使っているのはご愛敬。手元にあった色を使ってみたので、各所のセンサー? みたいなピンク色はサーバインよろしくすべて金色で塗ってますハイ。
使ってみた感触は、確かに隠ぺい力が高い。足の黒部分・爪の白部分は2回程度の塗り重ねですぐにマットな感じに。しかも乾燥も早いからサクサク次に行ける。まだ希釈の感覚が慣れていないのでまだ厚め(濃いめ)の塗料で塗った感じだが、ある程度の面積を塗る平筆を使ってみたらまた違うんだろうな。今回は4色程度+シェイド(墨入れっぽい位置づけ)で5本筆を使い分けてみたが、いずれも面相筆だったので。でも実質、コップに入れた水で筆洗浄もでき、すぐに色も落とせたので使いまわすのも行けたかもな。
そんなこんなで試行錯誤して組んでみて、概ね2時間弱というところか。これはこれでベースラインの色を揃えてやればそこそこいいんじゃないだろうか。複雑な色はもともと使う気もないしな。
ちなみにこのダンバイン、息子が興味津々で持っていきましたとさ。机の上に置いて、顔を近づけ細部に見入る...昔の俺を見るようだ。おあとがよろしいようで。