Think Like Talking.

趣味や子育て、ゆるい生活をつづる備忘録

Purple Haze

HG Hi-νガンダムをリペイントする話

f:id:rosso13:20210919154328j:plain

 前回の日記にて、RG Hi-νガンダム確保はできなかった話を書いた。

rosso13.hatenablog.jp

 それはいい。しかし振り上げた手の下ろし所をどうするかということで、10年以上前に作ったHGのHi-νガンダムのリメイク(リペイント)をすることにした。こういう時に、腰を上げる味方になるのがシタデルカラー。さてどういう色にしようか。

 もともとの成形色ブルーはあまりに軽すぎる(明るすぎる)。これ自体は前から何とかしようと思っていたのだが、マスターアーカイブをはじめとした設定資料ではパープル系のカラーリングもありと。それでは行ってみよう、再生計画。

 というわけで、前回の日記のトップに上げていた画像のモデルを一旦バラシ。ガンプラに戻ってきた当初の10数年前は、接着剤を使わないでスナップフィットそのまま組んでいたので、今回もある程度まではバラすのも簡単にできた。そこからブルー部分をシタデルカラーのNAGGAROTH NIGHTで塗装。紫もちょっと濃すぎるか? しかしこれはこれで色が締まる印象。

f:id:rosso13:20210919154332j:plain

 RGに比べると非常にシンプルなパーツ構成。カメラアイの色はもともとゴールド系だが、グリーン系の設定も存在することと好みの問題で。

HG Hi-ν リペイント素体部分

 武器装備などは手を付けていないが、素体だとこんな感じ。おもちゃっぽい印象がぬけてプラモ作例に近づいた感じ。リペイントのため肩部分などのマーキングを剥がし、関節・脚部ダクトなどをRGイメージでゴールドに。シルバー部分やバックパック部分(ファンネル含む)の塗装はさすがに2時間では完了せず。

ファンネルは1本のみ塗装したところで時間切れ

 一日じゃまぁ終わらないだろうなと思っていたが、やはりこんな感じ。RGにそこまで執着しなくても、手元のモデルを自分の思うようにいじってみるのも楽しみ。

 ちなみに剥がしたマーキングは別に売ってる水転写デカールを使ってリカバリ予定。

 ガチンコで綺麗な作品を作る諸先輩方には遠く及ばないものの、凡百の腕でもプラモデルは楽しめる!!というのをこのブログを何かの縁で訪れる方に示せれば。続き(=完成)はまたいずれ。

牡牛座ラプソディ

RG Hi-νガンダム購入にまつわる狂騒曲

f:id:rosso13:20210911171912j:plain

 というわけでラプソディ。数日前からいろんなタイムラインで流れてきているRG Hi-νガンダム発売。出荷がいつだのフライング販売あるないだの予約分で完売だの。そうだよな、今はほぼほぼ予約しないと買えんよな。

 さて地味に明日が誕生日という関係で、嫁さんから「何がいい?」という問いに対して「9/11の朝からリリースしてくれれば何もいらない」という返しをするくらいには当日店頭販売分を探しに行く気。RG自体はまだ手付かずのものが8個ほどあるため(その上前回のクロスボーンも仕上げてないしな)、どちらかというと「祭りに参加」という側面が強い。転売などもってのほかじゃい。いつかでもいいから、自分で作ってこそのガンプラじゃあ!!!

 さて、最初に目指すはとある隣町にあるイオンモール。2年前のRGνガンダムの時は、夕方に行っても残っていたくらい穴場。確かに量販店や模型店に比較すると「こんなところに入荷してないだろ」というイメージが強い。開店は朝9時ちょうど、9時1分に駐車場につき、店内へ。

 入り口で、そのものズバリの箱を持ったおっさんとすれ違う。出遅れた!!!

 2階に上がり、売り場への最短距離を進む。開店直後の店内、売り場周辺にはすでに人はいない。ガンプラの棚を見ると...ない。入荷数も少なかったか。そうなれば長居は無用。第二波装填!!!

 次に狙うは専門店。その町に2軒ある内、店の公式Twitterで片方はすでに予約分で完売・店頭販売分はなしとの情報。もう一方は特に記載はなく「店頭販売いたします」という表現。そっちに行けば販売はしているということか。

 しかして現在9時15分。店頭販売がある店のオープンは10時半。気長に待ってもいいが、もし手に入らなかった場合は第三波以降の作戦に入れない。この町でガンプラを取り扱う店の中で最後の砦、しかし自分の街に戻れば最悪あと2回チャンスはありそう。

 40分ほどかけて自分の街に引き返す。時間はすでに9時50分を回った。まずはヤ○ダ電機。開店前に並ぶ成人男性5人ほど。これはもしかしたらチャンスがあるのでは? 曲がりなりにも量販店、1個2個って入荷数ではないだろう。10や20まで行かないにしろ、これくらい(俺を入れて6名)ならいけるんじゃ? と思い行列に並ぶ。

 何を隠そう、人生の中で行列という行為が何より嫌いだが、こうした「祭りごと」なら致し方ない、付き合ってやる。俺の直後に並ぶ小学6年くらいの少年、おっさんたちの中に混じり少々気後れしている様子だったので、「これってガンプラの行列かな?」と話しかけてみる。「自分はベイブレード買いに来ました」と。そうか、もしガンプラだったらおじさん順番譲ろうと思ったくらいにして。

 

 そう、繰り返すが「そこまでの執着はない」のだ。だから定価より高い値段で買う必然性がない。それよりも転売目的で買われるくらいなら、発売を楽しみに行列に並んだであろう少年にそうした思い出を残してやるのも大人の役目。新しい時代を作るのは老人ではない!!!

 さあ開店。大の大人たちが粛々と、階段を使って売り場のある2階に上っていく(本日2回目)。面白いのは、誰もダッシュしないという暗黙の紳士協定(笑)。まるでフォーメーションラップのように前の人を追い抜かず、一定のスピードでガンプラ売り場に向かうおっさんの列。先頭と2番目の人が、棚の最上段に立てかけられた箱を手に取り、そのままの流れでレジに向かう。3番目のおっさんが少し奥まったMGの棚の方まで行く。4番目・5番目=俺の直前のおっさん、キョロキョロと1/144の棚を探す。俺、一瞬で悟る。

 

 入荷数2個かよ!!!!

 

 だから地方のヤマ〇電機は嫌いなんだよ!!! ろくに新製品が入荷しやしねえ!!!! コレ、札幌市内の店舗だったらもっと入ってるんだろ!!!

 

 未練がましく棚を探すおっさん数名を横目に、全く長居は無用で華麗にUターンして店外へ。たとえカウンターに取り置かれていたとしても、初手でケチる店に用はない。執着に惑わされないからこそ、潔く。

 地元の昔からあるホビーショップを最後の砦として車を向ける。ここからは5分程度、到着は10時15分ほどか。入荷数は圧倒的に少ないだろうが、地元・老舗の店だ、何等かの隠し玉が無いとも言えない。駐車場に到着。独特の雰囲気のこれまたおっさんが店の入り口の方から歩いてくる。手には何もなし。これは...ハズレか。

 店内へ。カランカランというベルのなるドアを開け、目に飛び込んでくるRGの箱のタワー。ああ、通常の大きさ(νやサザビーやFAユニコーンのような大型ではない)だ。これはやはり...。店の奥から、店番のおばちゃんが出てくる。俺が10歳に満たない頃にこの店ができたころからいるおばちゃんだから、もう年は70を優に超えているんじゃないだろうか。個人で経営しているであろう店、目当てのものがないからと手ぶらで帰るのもそれはそれでマナー違反。後から入ってきたこれまたおっさん、ストレートに「今日発売の...」とおばちゃんに聞く。「いやー、予約分で売れちゃったんですよー」と答えるおばちゃん。はいすみませんとすぐに出ていくおっさん。んんん...。

 さすがに目当てのプラモはなくそれに匹敵するくらいの大きさのものを買うわけにはいかんので、何等かのマテリアルは礼儀として買うことにしている...と、目に入ってきたのがコレ。

ガンダムマーカーEX・メッキシルバー

ガンダムマーカーEX・メッキシルバー

 ウィルキンソンの辛口ジンジャーエールの方が主体に見えるが、主役は下の方。数か月前に発売され、これもあっという間に品切れになったという代物。こういうものが埋もれているから地元の模型店は侮れない。レジに持っていきおばちゃんと会話。

「朝からあの話ばっかりでしょ」

「そうですねえ」

「昔に比べて入荷も少ないですからねえ」

「ホントですよ」

「でもコレも一時期品切れ続いてたでしょう、見つかってラッキーですよ」

「そう、やっと入ってきたんですよー」

「やー、ちょっと嬉しいですわ」

「(笑)」

 というやり取りののち退店。割り当て数も少ないだろう地方都市の個人店、なじみの客に取り置いた虎の子が売れたらあとは消化試合、この後午前中いっぱいくらいは似たような客の相手をしないとならんのかもなあ...と思ったら、世間話の一つもしたいと思った俺もおっさん。

 この店で初めて買ったのは、初代の1/144ガンダムマークII。当時の地元では初めて本格的な模型店としてオープンした、ちょっと大人の店だと感じつつ親に連れられて入った9歳頃の俺。当時は消費税もなく定価500円のキット。今やマーカー1本が税込み660円。時代の流れを感じるわ。

 

 さて、そんなノスタルジーを感じたところで今日の戦いは終了。残念ながら入手はかなわず、しかし大事にしなければならない矜持のようなものを再確認して帰宅。まぁ1/144スケールのHi-νはHGUCで作ってるし、これをシタデルカラーでリペイントしたりするのも一つの楽しみか。

 というわけで、狂騒曲は終了。手に入れられた皆様、おめでとう。買えなかった我々の分まで、積まずに楽しんでくださいな。プラモは作ってなんぼですぜ。と、盛大なブーメランを投げたところで今宵はこれまで。


www.youtube.com

THE REAL FOLK BLUES

RGクロスボーンガンダムX1製作

RGクロスボーンガンダム・素組み

RGクロスボーン・素組み

 といっても素組みでまだデカールすら貼っちゃいないのだが。

 気が付けば3週間近く更新せず。まぁ月末仕事や業務用システムだのネットワークトラブルだのの対応から倒れこむような週末だったり限界機動の後遺症で夏風邪ひきかけたりで。家から出ずにやれることと言えばプラモ、というわけで購入から2年くらい放置していたRGクロスボーンに手を出す。

 RGは4年前のユニコーン以来か。RGの特徴であるアドバンスドMSジョイントとやらも、初代のガンダムから内部骨格の連動ギミックを売りにしていたが、RGサザビーくらいから一部のギミック向けに限定使用するようになったみたいで。νガンダムでフィン・ファンネルの構造に使われている程度だったかな。このクロスボーンに至っては、リアのフレキシブルスラスター(X形になるアレね)の基部と胸部の内部骨格程度。正直連動ギミックはちょっと動かしただけでも壊れそうで、あまりガシガシと動かすものではないと思うの。

 そういう事情から、部品点数はHGUCなどとは比較にならんけどもそれなりに作りやすい構造に感じた今回。クロスボーン自体はMG Ver.Ka・HGUC・HGフルクロスType-GBFTと、今回のを入れると実に4機目。何が厳しいって、小型MSの設定のため1/144だととにかく顔が小さい。そのため、フェイスの墨入れや傷を模した赤いラインで毎回苦戦するのだ。RGはシールで貼れるようになってはいるが、キレを考えるとやはり塗装。面相筆で塗るべし...と思うが、とにかく今回はまず形にすることを優先。塗装もデカールも後回し。

途中経過

途中経過

 これまでの経験上、足1本作るだけで1時間以上かかっていたのだが、今回は内部フレームも通常のランナー部品。クロスボーン自体が妙なディティールがないプレーンなデザインでもあるから、非常に作りやすい。エクシアとかストライクフリーダムとかいろいろ凝ってたからなぁ。

 今回の素組み=トップ画像に至るまでで、おおむね5時間程度。ストライクフリーダムのドラグーン苦行の頃を考えると、ものすごく楽。リアリスティックデカールが残っているが、これもユニコーンのコーション地獄を考えると、ものすごく楽。つってもまだしばらく後日になるけど。

 ここしばらくいろいろと仕事が詰まっていたりなんだりで、夏前のようにじっくりと筆塗りできるような時間が取れん。やりたいことはあるけど、やっぱりプラモは秋から冬にかけて家から出られない時間の趣味かなぁ。次に作るのはHGエルガイムマーク2...かな?

 

 あ、タイトルはなんでカウボーイビバップの曲名かの話を最後に。

 今回初めて精密射撃用のアイパッチギミックが入った(選択式だけど)ことと、歌詞の中の

「♪ひとつの目で明日を見て ひとつの目で昨日を見つめてる」

 に引っかけて。わかりにくっ!!!

rosso13.hatenablog.jp

 

rosso13.hatenablog.jp

 

 

Silent Star

MSアンサンブル18「シルヴァ・バレト・サプレッサー」の巻。

「・」が多いなおい。モビルスーツアンサンブル第18弾、手元のラストはシルヴァ・バレト・サプレッサー。ガンダムNT(ナラティブ)のラスト近くで、UC(ユニコーン)の主人公であるバナージ・リンクスが搭乗していいところをかっさらっていった感のある機体で。

モビルスーツアンサンブル シルヴァ・バレト・サプレッサー

モビルスーツアンサンブル シルヴァ・バレト・サプレッサー

 サプレッサーというとどうしても銃に付ける消音機(サイレンサーと言われる奴な)を思い浮かべてしまうが、本来の意味は「抑制するもの」だそうで。陰から動乱を鎮圧する抑止力という感じなのかね。ユニコーンに装備されていたビームマグナムで狙い撃ち、カスタム機とはいえガンダムとは精度が程遠いシルヴァ・バレトで運用するために「一発撃って腕がダメになるなら交換すればいいじゃない」という発想をよく出してきたもんだ。

バックパック

ずらりとバックパックに並ぶ「右腕」

 交換クレーンのギミックまではさすがに再現していないけど、取り付けようと思ったら一応肘から先で交換可能。ってかこれが見た目通りなかなかの重量。

寝かせて1枚。

 この重心の高さでこの重量なもんだから、普通に立たせると後ろにコテン。トップの画像は、うまいこと重心が釣り合って自立してくれたもんだ。

ディスプレイ用のストラット

ディスプレイ用には支えが要る

 それにしても、部品が満載の機体だった。Sガンダムもかなりの部品数だったが、主役機でもないのにこの密度。機体の白部分を補ってやれば更にかっこよくなりそうですな。

バックパックは組んじゃったけど、パーツ状態

バックパックを付けなかったら全然「立っち」も楽。

 という感じで、シルヴァ・バレト・サプレッサー。第18弾の本命...だったのかね。力の入れ具合がすごい。

 

 それにしても、7月くらいからプラモを全く作った記憶がない。7月中旬から8月の万国大運動会終了までのあまりの北海道の暑さに打ちのめされていたわけだが、そろそろ何か手を付けたいなあ。手持ちのキットはガッチリ残っているので、そのうち何か上げますハイ。

 

…って、タイトルの「Silent Star」にちなんで「菅野よう子の」曲を探して貼ろうとしたのだが、なんと今や「ウマ娘」で同名曲があるのね。意図したのはこっちの曲ですぜ。


www.youtube.com

 

The echo

モビルスーツアンサンブル18・プロトタイプガンダムの話。

MSアンサンブル18 プロトタイプガンダム

MSアンサンブル18 プロトタイプガンダム

 ホームグラウンドと言えるだろうか、ガンダムネタは安心しますな。これまでの78-2とG-3の流れでカラバリかと思っていたが、意外や意外の新造ポイント。胸部コクピット横の塗装汚れはご愛敬だが。

 正直「初代ガンダムはもういいんじゃないの」と思っていたが、別パーツ化されている部分があったり前腕や腰部アーマーが変更されていたりと、本当にこのシリーズは細かすぎて伝わらないネタが多いよ。

アンクルアーマー

アンクルアーマーが別パーツ化

 左が比較のG-3。パーツを切り出しているときにこれ発見して感心したもんだ。確かに色分けだけでなく形状もプロトタイプガンダムだけ違うもんな。

ランドセル・バーニア部分

ランドセル・バーニア部分

 同じくG-3と右がプロトタイプ。バーニア部分のグレーは色分けでなく別パーツ。左のG-3は一体だった記憶があるので、ここも芸が細かい。

ランドセル・バーニア部分

腰部アーマーの違い

 これも見ていて感心したが、右腰(向かって左側)だけ大型になっているのがお分かりだろうか。正規のスケールガンプラであれば再現もされようが、ガチャガチャプライズアイテムでここまでというのがもう。開発・商品化担当の方の熱意たるや相当のものとお見受けする。そりゃ20弾近くまで続くわ。

 単なるカラバリと思っていた自分の不明を恥じつつ、再販が決定したという第1弾=初代ガンダム=78-2号機の入手を目論見つつ。次のアイテムはなんだろうなと考えるのも楽しい。そんなこんなで、実は第18弾はシルヴァ・バレト サプレッサーもまだ組んでいないのだがそれは次回にということで。

One Last Kiss

Amazon Primeでシンエヴァを見た話。

 触れねばならんでしょうな。ネタバレは極力しない方向で、というかもともとそこまでエヴァの世界観には詳しくないので、ファンの方々にとっては炎上案件になりかねない表現があるかもしれん。その辺は「へぇ」とやり過ごしてくださいな。

旧手宮線

線路、まぁ10年前の旧手宮線ですが

 本当はテーマ的に「世界線の乗り換え」=「線路の複線」を隠喩していたはずなのでこれだと「別の選択肢」にはなりえないんだけどまぁそのへんは雰囲気ということで。

 8/13からAmazon Primeで独占配信となった「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」。去年の地上波一挙放送でやってた序・破・Qの流れで息子が見たい見たいとせがむため、初代のChromecastを引っ張り出してきてセットアップ、iPhoneからキャストしようと思ったがなぜかネットワーク上にChromecastを認識せず、頭に来てXperia 10Plusまで総動員(パソコンからのセットアップを受け付けないのでAndroidスマホを引っ張り出してきた)して結局Google homeの設定を全消去してようやくキャスト。

 

 そうして見始めたシンエヴァ。劇場公開のインプレッションは軒並み「いい終わり方」みたいな評価が多かったので、まぁ色々と回収されたんだろうなと。あらかたの内容はネタバレサイトや一般レビューの話を総合するとわかってしまっていたので、さあどう決着つけるのかなという視点で見る。

 嫁、息子は中盤=最終決戦初戦でアウト。嫁は集合体恐怖症も相まってもともと視聴には後ろ向き、息子は想像以上のグロ表現というか「怖い」ということで。まぁ楽しいロボット活劇ではないよと再三忠告していた親の言うことがようやくわかっただろ。

 

 さてようやく一人で集中して見られる。前半は人間活動、中盤は決戦、終盤は伏線回収という感じの構成。詳しい内容はもちろんバラす気はないんだけど、なんというか、相変わらずだなぁと。パイロットの女の子のそれらしいアングルやらお姿やら、まぁ女性経験が皆無もしくは少ない10代20代くらいの旺盛な男の子が夢想するような女の子の姿(オタクに限らん)がキャラクターの姿を借りて展開されるのだが、それここで要るか? というのがちょっと鼻につく。作り手のリビドー噴出という側面はあるんだろうけど、これがあるからエヴァファンの7割位が「その手の女の子」好きに見られちゃうんじゃないかなあと余計なお世話を言ってみる。あ、そうは言いつつもマリ好きですよ。

 

 そんな横道の考えを出す程度に、目まぐるしく展開する話。一つの本筋を追うというか、広げすぎた風呂敷をどう回収するかという作業に走っているのか、多分ここが製作期間の大半を消費したり一度ガラッと作り直したりしたんだろうなという苦労の跡を偲んでみる。

 要は「親子の確執と葛藤を見せたい」のか「壮大な世界観の中で人類の取るべき道を考えさせたい」のか「活劇としての人造人間のこの物語を特撮で表現するには大変だからアニメでやってみた」のか「女の子がピッタリしたスーツとか裸で動き回るのを大手を振って見せたい」のか、どれなんだいと。

 エヴァファンの神経を逆撫でる気はないんだけど、思わせぶりな単語や設定を山程積み重ねてさあ表現したかったテーマって何? と考えるとどうも俺の知識が追いついていないのもあるんだけど「...何?」と詰まってしまう。

 

 とはいえこれが、何から何までを劇中の「ストーリーテラー」に語らせるのではなく最低限の情報を提供して見る側に想像させる、ということ自体が監督を始めとした狙いなのかと思うと途端に合点がいく。もしかしたら、それ以上に「キーワードだけおいておけばファンの側が勝手に深読みして話を補完していく」と思っているのかもしれん。なんちゃら補完計画の本質はここにあったのか!!! というオチかもしれん。

 

 そう、その「かもしれない」がこの映画の正体の一つなんじゃないか。

 

 そうでも思わなければ、果たしてエヴァという世界観をあまり知らずに「話題だから見てみようか」というこれからこの世界を知っていこうという人には、敷居があまりにも高すぎる。そんな「深読みと思考の迷宮に漂う行為」そのものを楽しめる人でなければ、敷居をまたぐ必要はないですよと。大多数に話題をもたらす必要はなくて、あくまで作り手と受け手たる「古参の追っかけ」とのガチンコ勝負。だから「よくわからない」人は最初から相手にしていない。そうした人たちの評価など、存在しないに等しい。ただひたすら、四半世紀もの時間を「エヴァに呪われた」人々の時計を進めるためだけの映画。そうして「ありえたかもしれない世界」を提示する。それだけ見ればよくある「世界線」ものかもしれないが、社会現象という過去の錘を巻き付けたからこそあらゆるしがらみをなぎ倒し、監督の「ハイ、もう終わり!!!」という決着を否応なく突きつける。

 

 ついてこられるかは別として、監督の四半世紀に及ぶ葛藤の回収、という点では結構なんだけど、終盤「どうしてここで特撮セットとかいろいろ持ってきた?」という唐突さが出てくるし、過去作のオマージュを引き出してすべてを総括した伏線回収になるわけで、エヴァを知らない人にとってはほんとに「???」としかならん。かろうじてTVシリーズをリアルタイムで見ていた俺でも「ここはあのシーンに引っ掛けてる...んだよな?」と答え合わせをし始めると話があまり頭に入ってこない。それはそれで一つの仕掛けなんだろうけど、だからこそ何度も視聴して答え合わせをする人たちが出てくるんだろうけどね。

 

 まあ、色んな人が「これで完結した」と思えるのだろうし、俺も「ここまで回収できたらいいんじゃないの」とは思える。偉そうに言えるほどエヴァに傾倒していたわけじゃないが、少なくとも監督の不完全燃焼はある程度決着がついただろうし、四半世紀待たされたファンもひとまずの心の区切りがついただろうし、そういう意味では「いい映画」だったんだろうな。

 ただ、何回も見たいかといえば、否。やっぱグロい。

 というわけで、グダグダ書いてきたけど「エンターテイメント」としての映像クオリティは最高水準ですよ、とだけは書いときます。その分生生しいシーンはよりグロいのでそうした耐性がない人はエヴァ全般やめときなと。

 

 さらば、すべてのエヴァンゲリオン論争。

 


www.youtube.com

紫陽花と向日葵

時には子育ての話を。

f:id:rosso13:20210807111214j:plain

8月の向日葵

 おかしいでしょこの北海道の連日真夏日。もう20日近く続いてるんじゃないの。札幌中心部では大詰めの競歩やマラソンをやってるみたいだけど、マジで人死にが出るぞこんな環境。

 という8月の道央地方。息子も夏休みだが、感染拡大の折どこにも行けず、クーラーのない家の中でひたすら扇風機に当たりながら誕生日に買ってやったファミコンミニをキャアキャア言いながらやっとります。いつかの予告通り、現代の至れり尽くせりなゲームではなく、今のアラフォー以上が子供時代に理不尽を学んだ黎明期のゲームが30個。マリオもカービィも最初はこんなだったんだぞ、とオリジナルを知るという意味で。

 今どきの子供たちにとっては、2D・アナログ・ノーコンティニューのハードなゲームは本当に厳しい。うちの息子は6歳になるここまでゲームというものに触れさせていない。なのでコントローラーを使って画面のキャラクターが動くというのがものすごく新鮮。休みのたびに「お父さん、これやって!!!」と模範プレイをせがまれるのだが、お父さんも子供の頃に触れていない(欲しくても買えなかった)ゲームが半分以上。初見で「おお、こんなゲームだったのか」と思うことしきり。

 

 今の世の中、子供に与えるのにタイミングが難しいと思うのが、ゲームとスマホだと考えている。スマホはそれこそ小学校高学年か中学生くらい(塾通いが一つの基準かなぁ)、ゲームは兄弟がやってるとかなり早い段階で触れることになる。一人っ子の場合は親のゲーム次第になってくる。お構いなしにゲームをやってる場合は親のPS4だのSwitchだので子供がそれに触れるが、うちのように俺も嫁もほぼゲームをやらない(正確にはやるんだけど、たまに3DSだのPS Vitaだのを引っ張り出してくる程度)場合はその限りではない。というか、嫁と協議の上、あまり早いうちからゲーム漬けにするのは止めようということで、親の我々もある程度制限していたというのが正しい。

 果たして、その甲斐あってか息子は6歳直前までゲームに興味を持つことは(表面上)なく、ただし幼稚園で他の子供たちと話が合うだろうか...という親の心配をはらみつつ育ってきたわけで。そんな息子が、誕生日を前にプレゼントの希望を伝えてきた。

 

「お父さん、僕ね、ほんとはラジコンじゃなくてゲームをやってみたい」

 

 それは息子が、精一杯の勇気を振り絞って伝えてきたものだった。反抗期というほどの激しさではなく、親が折角与えてくれるものだから...というような早熟な口ぶりで受け入れてきた息子が、年相応の希望を以て、「一度決めていた希望を変える」というこれまでやったことのないことを。

 そういう経緯を経て与えたファミコンミニ

  今のところは日々楽しそうにやってます。一応時間を決めて何時まで、という言いつけは守り、自分で自制しながら。不器用に何度もやられながら、いつの間にか操作法に慣れて親も驚くほど先のステージに進んでいたり。それはそれでいいんだろう。

 

 かといってインドアに引きこもるでもなく、いとこのお兄ちゃんたちが遊びに来れば先頭切って「外に遊びに行く!!!」とお兄ちゃんたちを振り回し。熱中症の心配でハラハラする親を置いてけぼりに駆けていく。なんと頼もしいことか。

 そんな子供たちを見守る庭の向日葵が、トップの画像というわけ。

 ともすれば30度を超えない夏もある北海道、今年はエクストリームな暑さで「夏」という感じだが、なんかこう...ねえ...もう少し手加減してくれんかと。北海道の短い夏休み、初めての花火や腹いっぱいになるまで食べたスイカ、お父さんとお揃いのTシャツ(MoveSportの)...いつか振り返ったとき、オリンピックが日本であった(しかも札幌にも来た)夏を、素敵な思い出が多くなっていればいいなとお父さんは願っている。

 

 まぁそんなお父さんは、四方八方プライベートと仕事に囲まれて一人気分はチャタンヤラクーサンクー。