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BLAZING

 こういう記事を読んで思ったのです。長いぞこの話

 

・Gのレコンギスタ

岡田斗司夫「Gのレコンギスタ全然ダメじゃん!」 ガンダムファン「ふざけるな! Gのレコンギスタ最高だろ!!」 - DMMニュース

 

 ヲタの理論でいい悪いは知らん。半年クールと考えてまだ3話程度でしょ? 映画ならOPのタイトルが流れた程度で「面白くない」と言うのと同じ

 さて、ガノタとしての意見を述べるとすれば、もうしばらく見守ればいいんじゃないのと。そして、やたら設定が細かすぎたり救いのない鬱展開のアニメが多い昨今、そのアンチテーゼとして「活劇を作りたい」という富野御大のわがままが反映されたものなんじゃないかと思うのさ。
 ただ、商業的な視聴率やスポンサーの意向で思ったようなものづくりができない昨今、富野作品だからこそいろいろと試験的なやり方ができると。深夜枠での放映然り。

 富野御大の理論が受け入れられない人というのは多くいると思う。斯くいう俺も全部は同意しかねる部分もあるし、そういう物言いでは誤解を受けるだけだ、と思うことだって多々ある。

 しかし、「ヲタクの萌芽」がガンダムという作品によっていよいよ自己正当化して内面に引きこもったことに対して、Zガンダムで「そんなことをしていたらバカになるぞ」と強烈に否定した根底は、きっと変わっていない。まさに今回の岡田斗司夫のように、「自分はヲタクだ」という事を全面に押し出す大人の出現と、それによる大人の幼児化、その先にある「生きる覚悟」の希薄な若者の量産化・正当化に警鐘を鳴らしていたわけで。

 

 ヲタクであることの定義は広いと思う。何かの造詣が深いということがヲタクであるなら、それだけでは別に害はない。しかし、現代ほどアニメや漫画と言ったヲタク文化メディアが爆発的に氾濫し消費財化してしまった以上、その分野に文字通り「引きこもって」しまえば、現実の生活としての社会は緩やかに衰退してしまう。クールジャパンだなんだともてはやされているが、その中で本当に心揺さぶるような、記憶に残る作品はさていくつ残るだろう。そりゃ、数撃ちゃ当たるでいい作品は出てくる。しかし、それを上回る速度で次のクールに押し流されていく。

 

 Gレコに話を戻すなら、そりゃ「元気のGだ!!」というキャッチはいかにも古臭い。でも、やたら人が死ぬ、残虐描写、エロス、そして正義の定義だ何だと、気楽に見られないアニメばかりじゃないか? その中で、単純明快なSF、ボーイミーツガールの活劇ものがあっても悪くない。その上で、きちんとバックボーンを造りこんだガンダムというフォーマットを原作者が作ろうというのなら、一見の価値があるはず。だからこそ、「君の目で確かめろ!!!」と言ってきてるわけでしょ。

 

 本当は、富野御大や宮崎御大が出張ってきてやりたい放題の作品を作ってそれを批判するのではなく、DVD商法やグッズ展開ではなくガチンコ勝負で本当に記憶に残るような作品を、脂の乗った中堅や若手のクリエイターが創るべきのはずだ。
新しい時代を作るのは、老人ではない!!!
 というシャアの言葉は、富野御大の本音だったんじゃないか。

 

 正直ね、ガンダムというコンテンツは恐らく後10年か15年、長くて生誕50年で終わる気がする。富野御大の手を離れた作品が中心になっている以上、ガンダムという名前を冠しているが「別にガンダムじゃなくてもいい」作品だって出始めている。何より、ファーストガンダムが神格化されすぎて、余りにも焼き直しされすぎた。古いファンが固執し、メディア展開は外伝や二次創作がサンライズの公認を受ければ正史に組み込まれるために更に詳細な「一年戦争史」が書き加えられ続けることになる。たちの悪いことに、その商品展開を喜んで消費する世代が金持ってんだものなぁ...。

 

 長く続いた作品が同じ時間軸(ここでは宇宙世紀=UC)でループするようにエピソード展開しているのに対し、後付け設定とは言え時間推移年表がある程度決まっている。原作者自ら時代設定総括(包括という方が正しいか)により、宇宙世紀自体を否定すること無く別の次元とする手法(要は数千年後)を使ってしまった以上、本来はそこにシフトして話題にすべきかもしれない。宇宙世紀のMSが見切れている演出はサービスと割りきって、「こういうものなんだ」とフラットに見ればいい。そんな遊び心を忍ばせてくれるのは、富野御大にしては大幅な譲渡だと思うのだ。

 

 長々書いてきたけど、要は「小難しいうんちく抜きにして素直に娯楽作品として愉しめばいんじゃね」ということ。始まったばかりの作品に評価を下すより、見終わってあれこれ感想を言うのが製作者に対する礼儀じゃないのかい。

 

 ていうかさぁ、ガンAの特集とか見てたけど、そんなわかりづらい設定かこれ? こんなんもっと厨二病全開内輪受け悪ふざけ作品いくらでもあるぞ。ニッチ過ぎて批判すら起こらないのかもしれんけど。そういう想像力補完もできない人間は見なくていいってメッセージもあるんじゃないかと思う(笑)。いい加減、富野御大の挑発に笑って乗ってやる余裕を持ったらどうだい、ガノタの皆様。

 

 というエントリで今宵はこれまで。