Think Like Talking.

変わりゆく変わらないもの

十四時過ぎのカゲロウ

 世間一般は4連休。暦通りの休みなので俺もそうなのだが、こういうご時世のためどこに出かけようというのもなく。

 初日は散髪に行き、帰ってきてから同居両親がどこかにドライブに行くということで一緒に行かないかという誘い。しかしてどこに行くんだと聞いたら「平取」。

 

 平取? え、平取? 平取の人には大変申し訳ないが、和牛以外に何があるのか!!

 というわけで最初は「いかない」と答えたのだが、別の方面に息子と一緒にドライブするにも当てがあるわけでもないので、さぁ数分後に後を追って出て現地でバッタリというドッキリも面白かろうと思い進路は東へ。

 苫小牧から日高道に入り、つったか走る。あっという間に平取町。いや、ほんとに何もない。そりゃそうか。電話で先行している両親を呼び出すと、なんとまだ町に入ったばかりだと。え、追い越した? よくよく聞いてみたら、一般道でゆっくり来たらしい。こっちは高規格道路、そりゃ追い越しもするか。ビハインドをひっくり返して結果的にほぼ同じころに到着。国道沿いのローソンで合流。昼飯を買い込んでさぁどこに行こうとしていたのかと聞いてみたら。

「30年位前に来た、山の中で釣り堀があって、釣った魚をすぐに調理してくれる店」

「念のために聞くが、店の名前は?」

「わかんないんだよねぇ。コンビニで聞いてもわからないみたいだし」

 

 そりゃそうだ!!! グーグル先生に相談だ!!! 俺来なかったら全く手掛かりなしだったわけで驚愕のノープランぶりの還暦越え夫婦。

 平取・釣り堀・料理というキーワードで出てきたのがこの店。

niseuen.com

 

 気になる方はマップで調べてもらうとして、平取の市街地から走ること40分くらい。札幌からだと小樽についてしまうくらいの距離。ああもう北海道スケール!!! こりゃ時間もかかるというもの。それ以前に本当に山奥で、国道から脇道に入る看板も小さくてちょっと進むと1車線。同乗していた嫁は「前から車来たらどうやってすれ違うの?」としきり。いいから俺ならすれ違えるから。こっちは軽だし。砂利道を進むこと数分、本当に小ぢんまりした店が突如として現れる。

 天気は小雨、どんなもんかとみてみたら、養殖の池にウヨウヨと魚。ヤマメ、ニジマスと思しき魚が釣り堀にいっぱい。先客が貸し出しの竿で釣りをしているが、まさに入れ食い状態。それを見た先日5歳になった息子「やってみたい!!!」。

 

 息子よ、お前に大事な話がある。おとしゃん、釣りやったことないのだ。

 

 しかしこうしたときに人生経験を積むのも一つのめぐりあわせ。貸し出しの竿を借り、初めて針に餌を付けいざフィッシュオン!!! あっという間に入れ食い!!! 波立つ水面、ピチピチと踊る魚体、バケツに入れるも飛び出ん勢い、針を外そうとする嫁・母、だーから、魚押さえないとダメだってと父、しかし触らない父!!! 息子が近づくが針が暴れると危ないので後ろに下げ、魚を素手で押さえる俺。針に餌を付けるしぐさもたどたどしい43歳児。

 結局家族分5匹を釣って終了。入れ食い状態のため、所要時間は15分程度。息子も楽しそうだったが俺も楽しい時間。そのままお店の人に渡して唐揚げと塩焼きにしてもらい、店で新鮮な状態でいただく。うまし。

 

 そこで息子と話をする。

「お魚さんいっぱい釣れたね」

「うん、楽しかった。でもお魚さんおうち帰れないんだよね」

「そうだね、そして血も出てたのはわかるかい」

「わかる」

「そうだね、生き物だからね。人間も動物も、ほかの生き物を食べて生きなきゃならないんだよ。」

「うん」

「そうして〇〇(息子の名前)の体を作っていくんだ。だから、食べるときに「いただきます」っていうんだよ。」

「うん、わかった。」

「そして食べ終わったらごちそうさま。〇〇はちゃんと言えるもんね。」

 

 食育の真似事程度だけど、こういうのも大事だなと思うのだ。その点でいえば、「銀の匙」は本当に良い教材だと思うの。

 

 そんな4連休の初日。北海道はちょっとぐずついた天気だったけど、なかなかにいい体験させてもらいましたっと。