Think Like Talking.

趣味や子育て、ゆるい生活をつづる備忘録

Alive

ThinkPad 30周年イベントに参加してきた話。

通称「大和魂ミーティング」

 というわけで、今回の旅のメインミッション。レノボ・ジャパンが主催するThinkPad 30周年「大和魂2022」にダメもとで応募したら当たった。第1回・第3回に参加してすでに10年以上。大和魂ミーティング自体は2012年の第4回から実に10年ぶりだそうで。

 夕方になるにつれ雨が激しくなった秋葉原、週末の仕事が終わったUDXのオフィスエリアに到着したのは18時過ぎ。案内メールでは開始前に歴代ThinkPad の展示を見られるということで、コアな参加者と思われる方々がすでに到着していた。んが、会場ではプレゼンの最終チェックとかで少し表でお待ちくださいと。こういう準備の大変さを知ってるので、全然問題なし。ゆっくりしましょ。

 さて、10分ほどで開場。目の前のデスクに並べられた歴代ThinkPad。初代の700Cに始まり、マスターピースと言えるモデルが整然と並ぶ。とはいえ本来持ってこようとしたモデルの半分もないらしく、メーカーの方が口惜しそうに語っておられる。こういう雰囲気が楽しいよな。

始祖たる700Cに始まり、220、555BJ=プリンタ付き。分厚いなおい!!

ウルトラマンPC」110、バタフライキーボードの701C。この辺りは定番。

 大学のゼミ室に無造作に701Cが置かれていたのって、今考えるとものすごく勿体ないことをしていたんだよなあ...。

俺的始まり・535X(中央)、最高峰と言われたキーボード・600(右)。

 大学の1個上の先輩が持っていた535Xが印象的で、その後卒論製作の時自分のPCとして560Eを買ったのが始まり。卒論が入った560Eをバックパックに入れて冬の凍結した路面で思い切り転倒!!! したが何事もなく起動。当時のPCの中で絶大な信頼性を当時(24年前!!!)から獲得していたわけで。考えてみたら、これがなかったら俺大学卒業できてなかったかもしれん。

かっこええなぁ570、画期的小ささの240(最終型のZ!)。

 右に行くにつれてどんどん薄くなっていく。この辺までがIBM時代。

ミラージュブラック天板のs30。

 これがこの状態で保管されているのが驚き。ワイヤレスLANの出始めた頃のモデルだな。

手書きノートデジタイザが付いたTransNote(左)、奥側にはX40Tablet。

 そろそろIBMLenovoに切り替わる過渡期に入っていくが、こうしてみるといろいろ変わり種のモデルがあって、しかも結構リアルタイムで見られたんだな。

来たぞ名機・X60s。ワイド画面の始祖・Z61t。

 お好きな方はX60sのフォームファクタSSDを入れ替えたりといまだに使っている方がいるそうな。Z61tあたりが出た頃は「ワイド液晶はThinkPadにあらず」みたいな反発してた人がいたなぁ。今どうしてるんだろうなあ。家のテレビもブラウン管のままで頑張ってるのかなあ。

X1ラインにつながる名機・X300

 買えなかったが当時衝撃を受けたX300。これすごかったよな。そしてW700ds。第1回の大和魂ミーティングだったかで初めて展示されているのを見た時は、17インチ+サブディスプレイの大きさに面食らったが、開発陣の方のお話では「海外で女性のオフィスワーカーの方がひょいひょいとこれをモバイルしてるんですよねえ...」と。

この辺になるとちょっとわからん。タブレット系の8・10。

 グッと新しくなって、さっきのとこの間にX1系がスタート。Xナンバーのナンバリングが変更になった時に「これはX系じゃない」とか「6段・アイソレーションキーボードはThinkPadにあらず」とかネットで言ってた人がいたなあ。今どうしてるのかなあ。

この辺になると最近のモデル。

 ほぼ最新のナンバリング規則(モデルラインと画面インチ+世代)になったX13sなど。もうものすごい薄さ。ここまでくると、一通りの性能も確保されているから自分の用途に合わせて選べば間違いない。

そして最新のFold。

 初めて見たが、ディスプレイが曲がっても問題ないという仕組みがわからん。

今回の目玉、X1 Carbon Gen10 30th Anniversary。

 開発陣の方々が歴代モデルの方で来場者の質問や雑談に対応していたのに対し、アニバーサリーモデルの方は若手の営業さんと思われる方々が対応しているのが面白い。値段で税込み33万、特別仕様としては妥当な値段だが、やっぱ手は出ないよなぁ。

 ひとしきり開発陣の方々とお話してさあ開始。

開始前の投影では内藤在正氏などのインタビュー。

 会場の参加者は9割男性、一番若い方はユーザープレゼンテーションをなさっていた22歳の方と思われ、それ以外はそこそこご年配の方々も。

開発陣プレゼンテーション。

 この方、勝手に俺と同じくらいの世代かなと思ったら10歳以上年下だったというオチ(笑)。や、パソコン関連遍歴があまりに近かったの。よく話を聞いたら、中学時代から秋葉原に出没していろいろいじっていたらしい。イコール、俺より10年前後若いときに同じくらいの技術に触れていたわけで。多少口下手な感じがあるものの、技術的な説明に入ると徐々に熱を帯びてくるのが、なんというか「愛がある」。

開発陣プレゼンテーションその2

 最終的に開発陣プレゼンは6名の方々が行ったが、それぞれ専門分野の説明に熱が入る。自分の好きなものを世に出している、という仕事なのかもしれん。開発者として求められるものも高いんだろうなあ。

 開発陣プレゼンテーションの次はユーザープレゼン。2名の方が選ばれ、お題は「Z世代に受け入れられるには」という感じで。お一人は先ほどのとおり22歳の大学生さん、しかし閉会後のフリータイムですさまじくレアな機種まで持ち込んでいたことが発覚。プレゼンもデジタルネイティブらしく、非常に整った資料・笑いも交えたトーク。素晴らしい。

 もう御一方は40歳の大学教授さんだそうで。すみません、勝手に俺より年上だと思ってました!!! しかしてゼミ生を持つ教授さん、話の引き込み方や「ひよこ作戦」と名付けられた発想など、人に「プレゼン」するという観点からさすがと頷きながら聞き入っておりました。

 その後は質疑応答、クイズ大会。どの程度のクイズかと思ったらガチマニアックな内容、しかもウェブアプリを使った早押しポイント制。上位5人に賞品だがまぁハイレベル。しかも商品のうち2つは700Cのプラモデル(絶版)という、まさにマニアのマニアによるマニアのためのクイズ大会。7問のうち3問程度しか正解できんかった...。

 2時間の会はあっという間にお開き。全体で記念写真を撮り、若干ロスタイムで開発陣の方と雑談。記念品をいただいて帰路につく。いやー、やっぱりこのイベント、濃い。

30年分の玉手箱=記念品。

 この記念品、参加者限定で作ったので原価がうん万円単位だそう。開けてみて納得。

700Cの実物大ガジェットケース、モデル系譜、記念ストラップ。

 内部まで現物の写真から取り込んだであろう「ガチ」のマニア向けケース。使ってこその一品とお見受けするので、当然PC系アイテムを収納して大事に使わせていただきますハイ。

 なんというかね、参加者もマニアなら主催者もマニア、というイベント。だけど主催者=開発者が目指すのはやっぱりイノベーションであり、新しいプロダクトなんだろうなあと。雑談の中から、新たなヒントを得ようとしている姿勢が見えて、ユーザーの側もレガシーにしがみつくのではなく、新たなユーザー開拓や技術を受け入れていく必要を改めて感じた。

 古参のユーザーが新規ユーザーを排斥するような状態はあってはならない。まさに自分がその古参側(つっても全然ライトな方だ)になってしまった世代、開発陣が提示する技術に触れて素直に評価しよう。「〇〇は認めない」とか狭量なことは言いたかねえ。

 アレ、これってガノタの構造にも似てんじゃね...?

 

 おあとがよろしいようで。ああ、うちの社用PCもThinkPadにならんかな...。