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Think Like Talking.

変わりゆく変わらないもの

冒険者

bd-1 自転車 明るい抑うつ闘病記 それでも、生きていく 夫婦善哉 毒?

 日常の中の小さな冒険、終了。

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・グレートアース富良野Ride2014参戦記・本戦

  本戦と言っても、順位を競うイベントではないので「戦」では無いんだけどね。

 

 6/22早朝。朝6時から当日受付のため、5時過ぎに起床。受付自体は前日に完了しているのでそこまで急がなくてもいいのだが、いかんせん会場周辺の駐車場が埋まってしまうために早めに移動したいところ。

 とは言え自分一人でなく嫁もおり、女性の朝は何かと忙しいというのは理解している。日焼け止めなど万全の状態で嫁、いざ出陣

 

 ホテルのエントランスを出ると、富良野の街は一面の霧。湿度が高いということか。しかしこの時期、朝霧が出ているということはこの後晴れるという前兆。

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 こういう景色を見ると、もう20年以上前のこのCMを思い出してしまうのです。


エプソン '91年CM 楽園の君に/矢萩渉 - YouTube

 

 起点となる富良野スポーツセンター到着。真横の駐車場には既にルーフキャリアをつけた車がメニーメニー。ロードを降ろしてタイヤを付けたりセッティングを開始している人ばかり。仕方なく1キロ程離れた富良野ワイン工場の駐車場へ。そこにもやはりイベント参加者の車が続々と到着している。bd-1をN-ONEから降ろして展開。必要なアイテムをサドルバッグにセットして、ウォームアップ代わりにスタート地点へ。

 

 会場に着くと、やはりロードが9割・チームジャージの本気仕様が半数以上。いいんだけどさ。気軽なイベントに参加するという雰囲気でなく見えてしまうのはどうなんだろう。自分たちと同じように、ロード以外のクロスやMTBで来ている人たちが、集合場所の端の方に追いやられている印象。ロードは確かにスタンドがないから寝かせるしか無いのは分かるんだけどね。嫁の「なんか周り囲まれて無言で『邪魔』って思われてる感じがするわ」というのは、あながち間違いじゃない気がする。俺は「堂々としてろ。こっちだってイベント代払って正当に参加してるんだから、好きな場所に陣取って何が悪い。無駄にスペース使ってるわけじゃないんだから、コース順に待機してな。」と答えたけどね。

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 嫁さん俺がトイレに行ってる間に後方にずれるの図。前の方の群衆は9割以上ロード。

 

 程なくして三線の音でラジオ体操という緩いお決まり(笑)。準備運動はきっちりしないと無用の怪我するから、二人でストレッチ。7時半過ぎから、ロングコースの集団が徐々にスタートしていく。市街地のスタートなので一般車の通行を妨げないよう、20人くらいの集団がひとかたまりでスタートというのを繰り返していく。先頭は本気仕様のTT車の集団が出るのがお約束らしい。まぁ好きにやっとくれ。

 

 今回の参加者は全体で900人前後、うち700くらいがロング=115kmコースらしい。うちらのショート80kmコースは100少々、お子様・初心者向け50kmコースは50人そこそこという内訳。皆さんお元気で。

 とは言えこのイベント、制限時間はかなり緩く取られているもののロングでも12時までに第4エイドである日の出公園に到達しないと、美瑛方面へのコースに進めない。また、足切りのための最後尾スタッフに追いつかれるとショートコースへというルール。実際自分たちも走っているとロングコースのライダー結構抜かしてたけどな。

 

 全体スタートから30分程度、8時過ぎにようやく我々もスタート。最初の信号で大渋滞(笑)。交通ルールを守って楽しむというのは自転車乗りの鉄則。信号も勿論守ります。

 

 第一エイドの鳥沼公園までは基本的に平坦。約10キロ程度田園風景の中をひたすら直進。市街地の中では地元の住人がマラソン大会の応援をするかのごとく手を振ってくれるわけですよ。去年参加して雰囲気がわかっているので、こちらも手を振り返し、曲がり角でコース誘導してくれているボランティアのスタッフと思われる方々にも勿論「お疲れ様ですー」と。こういう手作り感の雰囲気を味わいながら、ゆっくり走るのっていいよなぁ

 

 約20分ほどで鳥沼公園到着。ふらのバーガー提供の直火焼きウィンナーとスポーツドリンクをいただく。

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 まぁ基本的に行列なんですが。ゆっくり食べてゆっくり進むというのが趣旨だから、その流儀に則りまず食べる。とは言え余り長居し過ぎるとせっかくウォームアップした身体が冷えてしまうので、10分程度でいきなりの難関・麓郷の森へ。

 

 公園の駐車場を出てすぐ、延々と続く上りの始まり。当然の事ながら、写真はほとんど撮っておりません。ガチンコのヒルクライマーの方にとっては「こんなの大した坂じゃねえよ」というものかもしれませんが、子供からお年寄りまでのサイクルイベントではなかなかの坂だと思うのグーグルマップでこれを開いて疑似体験してみると楽しいかもしれませんな。全体のアドレスをコピーしてお楽しみください。

 

https://www.google.co.jp/maps/place/道道253号線/@43.338034,142.433409,3a,75y,150.5h,80.95t/data=!3m5!1e1!3m3!1snKlrv7EU84rNS-5Bk06DHQ!2e0!3e5!4m2!3m1!1s0x5f734da4dad1ce93:0x926fdd1ae7c4536e

 

 まぁこういう場所だったわけです。ただ正直なところ、確かに距離は長いけど斜度がきついわけでもなかったので、自分的には意外にも余裕だったのです。時々上体を上げながら片手運転でシャカシャカ回しながら息も切らさず、後方にいる嫁の様子を見に途中でマスタング走法さながら一旦下ってまた登ってを数回。そうか、下手に速さを求めなければ自転車ってこんなに坂道登れるもんなんだ

 信じられない、という目で「きついよこの坂!!!」と話しかけてくるロードを横目に笑顔で「いやあ、小樽の地獄坂に比べたら」と返答。bd-1で登っているのが相当奇妙に見えている様子。うん、地獄坂アタック大成功。事前テスト大事ね。

 

 とは言え嫁の方は既にこの坂に相当やられている。そりゃそうだ、普段は平坦基調のライドでいきなり麓郷の森はキツイ

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 この時点で何とか笑顔が出ていたので、旦那としては安心していたのです。この後の若干の下りで富良野の自然風景に「すごーい綺麗!!!!」と反応してくれていたのです。そりゃあこちらも連れてきてよかったと思うですよ。

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 だってこういう景色を、自分の力で夫婦で見に来られるなんてそうそうないじゃないですか。

 

 坂を登りきり、更に麓郷を進んでいき北の国からのロケ地・五郎の石の家へ。

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 石の家自体はもう少し上なのだが、降りてそこまで歩いて行くのも時間的にどうかということで、エイドで休む人が大半。ここでは鳥ザンギが振る舞われ、消費したカロリーとこれから消費するであろうカロリーを補給するという算段。しかしここで、自動販売機で一つの懸念が生じる。

 

スポーツドリンクが全部売り切れ

 その上10円釣り銭切れで、好きな飲物を買えないという事態に。普段はそこまでお客さんも大挙しないだろう場所だから仕方ないのだが、この日ばかりはさすがに分が悪い。仕方なくお茶を買い、次のエイドへ。

 

 事件はこの区間で起こる。

 

 平坦を走っているうち、嫁のペースが遅れ始める。最初はあれ? 腹減って少しパワー出てないかな? と思い道端で補給食を食べさせ、少し休んで再スタート。しかし途中の2km程の上りに差し掛かった時、嫁の呼吸が明らかに異変を見せる。路肩を歩く速度でゆっくり進むのはいいのだが、ふらつき始めた。

 先行して路肩の転回所のような場所に自転車を停め、嫁に「止まれ!!!」と声をかける。倒れこむように止まる嫁過呼吸寸前のように息が荒い。すぐ後を伴走していたスタッフさんが駆け寄る。手持ちのお茶を飲ませ、草の上に座らせる。すぐに息は落ち着き立ち上がりはしたものの、スタッフの車に嫁とマシンを載せて次のエイド=原始の泉に先行させることに。そこで一息つかせ、状況によってはそこでリタイヤさせるつもりだった。

 頂上まではあと1キロ程度の場所だったため、すぐ後ろから自転車で追いつく。他の参加者を一気に抜き去り、原始の泉へ。嫁は車から降りて自力で立っていた。状態も落ち着いた様子で俺を待っていた。「悔しい...」と涙を見せる嫁。とりあえず、冷たい水を飲ませなければと思い、ボトルに湧き水を汲みに行く。ほんの30m程度の距離でも、今は嫁に歩かせたくなかった。嫁のペースを見誤り、無理をさせた俺のミステイク

 

 旦那として自分が許せない

 

 よくこうしたドキュメンタリーでサポートのお世話になるシーンがあるが、こうした気持ちになるのだな

 一休みしてこの後どうするか嫁に聞くと、「行く」と一言。確かにここからは一気に下り。市街地に入れば平坦が続くため、山場は超えたと言っていい。しかしそれでも距離は40km。全体の半分を少し過ぎた程度。

 ここでリタイヤさせてスタッフカーで会場に戻ってもらい、自分も自走で下まで降りてコースを回らず会場に戻るという選択もある。しかし嫁自身が行くという以上、全力でサポートする。この場所を彼女のトラウマにしたくない。つらい思い出にさせたくない。

 

 その一心で再スタート。ダウンヒルではペダルを踏まなくても40km/hオーバー。ほぼ一直線で街まで降りていく。さっきの事があり、不意に意識を飛ばして転倒しないかヒヤヒヤしながら、嫁を振り返りながら先行。舗装の荒れたところやくぼみに注意しながら、そこを避けるように指示。なんかあったら俺がぶっ飛べばいい

 

 ダウンヒルは無事に終了。街まで降りる頃には嫁は若干疲れた感じではあるものの普段に近いところまで回復していた。

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 遠くに見える大雪山系。景色を楽しめるまでに嫁も回復。

 しかしこの後、更に後藤純男美術館前の激坂。俺はいいとして、嫁はもう坂はいい!!!とついに押し歩き。俺も一旦は付き合うも、却って押し歩きは疲れるので先に進んでどれくらい坂が続くかを偵察。

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 これだけ見るとそうでもないと思うでしょ。しかし実は復路でここを下るのだが、コース最速の58km/hを記録したのがここだったりする。ロードなら70km/hくらい出るんじゃないだろうか。

 ここから約5キロ程進んで日の出公園のエイドで串焼きと地物アスパラ、おにぎりを補給。周囲は麓郷でやられて80kmコースに変更したか、既に115kmコースの拓真館方面往復をこなしてきたか、いずれにしてもうなだれている人が結構いた

 この頃は既に嫁も元気を取り戻し、スポーツドリンクを補給してエイドの食べ物を食べながら「恋人みたーい(笑)」と冗談を飛ばす余裕も出てきた。旦那、少し救われる。

 

 時間は13時前後、最後のエイドであるとみたメロンハウスへ。もう坂はうんざりながら先ほどの後藤純男美術館近くの坂を登る。往路の時程の距離は無いものの、嫁には辛いだろうなぁ...と思っていたら「短い坂なら登るコツ掴んだかもしれん」とのこと。恐ろしい子...

 

 富良野の田園風景の中、ひたすら直進。去年もそうだったが、この頃になると集団はほとんどバラけてせいぜい4~5人程度、見知らぬ人が連なる程度。思い思いのペースで何とか足を回している景色。そんな中、追い風もあって30km/h程度の速度で巡航するbd-1が2台。ついに勘を取り戻した嫁が、ドラフティングも使って俺の真後ろをついてくる。先ほどまでリタイヤするかの瀬戸際だったライダーとは思えない走り

 

 メロンハウス近くの若干の登りを超えて平坦に入った頃、なんちゃってアタックをかけていたのかロード数名に抜かれる。それはいいのだが、いい加減「右から行きまーす」とかの声もかけず無言で至近距離を抜いていく輩ばかり(コース全域で)のためやられっぱなしも癪。シッティングのまま加速しカウンターアタック。一気に抜き去りしばらく行ってから何事もなかったように嫁を待つため停車。なめたらいかんぜよ

 

 最後のエイド、とみたメロンハウス。一昨年まではカットメロンだったらしいが、去年からカットメロン半分メロンソフト半分がカップに入ったものが振る舞われ。これがまた旨いのだ!!!

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 ここからゴールまではあと10キロ弱。時間にして30分かからない程度。去年は「もう終わっちゃうんだなぁ」という感じだったが、今年は嫁のコンディションが心配すぎて「早くゴールしなければ」という感じ。

 最終コーナーを曲がって、スタート地点のバルーンをくぐる。大会MCの片岡由衣嬢がハイタッチで完走者を迎える。こうしたイベントでハイタッチしながらゴールするのが初体験の嫁、完走したあと感極まって涙を流す。いや、本当に頑張ったよ嫁。

 

 ロードなら完走するのは普通かもしれない。でも、ロードでもない小径車、スリックでもないタイヤ、サイクルジャージでもなくビンディングペダルでもない条件で、彼女は麓郷の森を超えたのだ。そして最下位でもなく制限時間ギリギリでもなく、80kmを走りきった。

 

 時にうちの嫁は、すさまじい底力を見せると再確認した次第。

 

 なんとかかんとか、怪我もすることなく無事に完走。ゴールゲートで記念撮影。

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 しかし俺、太って見えるな...。

 

 この後は二人共「まずは風呂に入りたい」という意見で一致。土産も買わずに旭川方面へひた走り銭湯で汗を流す。しかしそのせいか一気に筋肉痛が襲ってきて道央圏に帰るのが余計に大変になったくらいにして(笑)。高速をN-ONEのクルーズコントロールで巡航し、岩見沢で一旦降りて夕食。一般道を通って自宅へ。家に帰ると21時半、歯を磨いたら二人で速攻撃沈。12時間近く眠り、筋肉痛はほとんど治まったというオチでした。

 

 イベントは家に帰るまでがイベントです。というわけで、今年のグレートアース富良野Ride、無事に終了!!! お疲れっした!!!

 

 

 ちなみにタイトルの「冒険者」はこれ。自転車を始めた頃の心のテーマソング。これもまた20年以上前のCMで。

 


中嶋 悟 EPSON CM - YouTube