Think Like Talking.

趣味や子育て、ゆるい生活をつづる備忘録

A Hazy Shade of Winter(冬の散歩道)

 タイトルはSimon & Garfunkelより。

・冬の散歩道

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 2オフの初日。ちとよんどころない事情により、デイケアに通っていたクリニックに用事ができてしまい、朝から札幌へ。家を建てるにあたり団体信用生命保険の審査を受ける必要があるのだが、御存知の通り抑うつの既往症があるために通常の審査は謝絶、金利条件は多少落ちるものの既往症の審査がもう少しゆるいハートフル団信なる物のために診断書を発行してもらわなければならなくなったため。

 しかして既に寛解の診断が出てから1年以上、復職してから丸3年が経過しているけれども「既往症」ということ(しかも精神疾患)ということで団信への加入はほぼ無理とのネット上のお話。ハートフル団信なる物に入ったとしても当初固定金利は3年程度、そこから先の変動金利はさてどうなっているという状況。そんならフラット35Sの条件の方が金利的には好条件、収入保障の保険に入って既往症の告知義務である3~5年を経過する4年後に別の保険に切り替えた方がいいんじゃないかしらと。

 

 折しも予約なしで血液検査をしてもらおうと登院したために、

1.1年以上診察がないので初診扱い

2.主治医の診察が必要だが診察日が後日になる

3.さらにその後の血液検査になる

4.というわけでそれぞれの料金を足すと恐らく1万超え

 という状況。恐らく通らない&通っても多分使わないローン手段のために1万すっ飛ばすのは得策でない!!! と考えて、まず今日は保留することにした。お世話になっているFPさんと保険屋さんに相談してからだな。

 

 というわけで、クリニックを後にしまだ午前中の光線の札幌駅近郊を歩いてみる。おお、赤レンガ前は絵になる景色になっているではないか、ということで撮影したのがトップの写真。この左手にはなにやら「かまくらで宿泊」というイベントをやっているらしい。

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 こんな感じ。高さが2.5m程度あるきちんとした作り。なんでも世界のユニークな場所に宿泊する、というのがコンセプトらしい。ほうほう。

 

 折しも札幌雪まつりが昨日から始まっており、時間もあるので大通り方面へ南下。平日昼間とはいえ、中国人のツアーなのか老人パックなのかかなりの人混み。遠目に雪のスターウォーズの大雪像を見ながら、人の波を避けていく。インフルエンザ移されそうなのでそのままスルー、南1条の大丸藤井セントラルで文房具見て戻ってきて終わり。雪まつりなんて考えてみたら10年ぶりくらいじゃないかな。

 

 午後から家のインテリアの打ち合わせがあるので、大通りから地上の信号待ちを避けて地下歩行空間を歩き、車を停めてある駐車場へ。

 

 その道すがら、トラウマと向き合う。

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 抑うつになった原因の職場に通じる地下通路。南北に走る札幌駅から大通りまでの地下歩行空間から東西方向に分岐しているとある通路。抑うつの一番ひどかった時は、この通路が灰色に見えた。元々往来が乏しく、イベントの無い時期は人もまばら、ホームレスや営業をサボったおっさんたちが途中に置かれたベンチで寝ていたりする空間。出退勤のラッシュ時間帯はさすがにそうした人たちは居なかったが、足早に先を急ぐ人の流れの中、時に一人スローモーションのように、時に何かに追われるように歩き抜ける。涙は出ない。ただ頭の中に空気を詰め続けられるような、ぼうっとした感覚で嵐のように感情が渦巻いて逃げられない。そんな思いで4ヶ月歩いた場所。

 

 少し前まで、自分では忘れた、振り切れたと思っても少しだけ動悸がした場所。

 

 今日は、奥まで歩きはしなかったが、なんの変調も起こらずにスルーできた。

 過ぎ去ってしまえば、こんなものだったのかと、少しだけ昔の自分に笑いかけられた。

 

 あの時、あの仕事からベイルアウトして確かに「負けた」のかもしれない。

 でも、今は今なりの場所でやり直し始めている。レーンチェンジはしても、きっときちんと前に進んでいる。少しずつ最近、そんな自信を取り戻してきた。

 子供の事や家の事、そして自分のこと。全部きちんと乗り越えて、少しずつで構わない、前に進んでいるんだ。

 

 色を取り戻して見たその「トンネル」は、何のことはないただの通路だった。

 

 2015年2月。復職して丸3年経過。落ち込みも燃え尽きも、今やすっかり健常の人と同等レベルの振れ幅になったんだろうな。決して無理はしないけども、薬も全く必要とせず、弾力性のある状態に回復したのは、誇れることだと自分を褒めてやる。

 

 そんな冬の散歩道、でした。