切り花
タイトルはキリンジから。
とある外出自粛の北海道の一日。幼稚園も休園中で同居の俺の両親に預けている息子。買い出しに行くのにまだ4歳の子供を留守番させるわけにいかないため、一緒に近くのスーパーへ。
帰り際、出口で誰かが花屋で買って途中で千切れたのか一輪の花が落ちていたそうな。
それを見て息子がその花を拾って家まで持って帰ってきた。
バァバと一緒にガラスの容器に水を入れ、そこに花を浮かべ。帰ってきた俺に「おとしゃん、花拾ったの。寂しそうだったの。」と一言。そうか、お前は虫や花にも命があることに気づけたんだな。
「うん、わかったよ。大事にしてくれたんだね。でもその花はもう一回千切れちゃってるから、いつか必ず枯れてしまう。でも、息子に拾ってもらってありがとうって言ってると思うよ。」
「うん。」
「いつか枯れてしまう日まで、面倒見てくれるかい?」
「うん!!!」
今朝、肌寒い北海道の朝。日当たりのいい場所を選んで、ベランダの窓際に置いた息子。日が高くなるとともに、花が開いた。
「よかったね!!! ありがとう」と花に話しかける息子。
このやりとりをいつまで覚えていてくれるか。優しさを忘れないでいてくれるか。優しく育ってくれている息子を誇らしく感じながら、少しでも花が元気でいてくれることを願って。